新しい生活を始めるために選んだ新居は、日当たりも良く気に入っていましたが、唯一の不満は洗濯機置き場に防水パンがなかったことでした。最近の家はパンを置かないのが流行りだと不動産業者は言いましたが、万が一の漏水で下の階の人に迷惑をかけたくないという思いから、私たちは防水パンを自分たちで設置することにしました。まずは二人でメジャーを持ち、脱衣所の寸法を測ることから始めました。お店に行くと、たくさんの種類の防水パンが並んでいて驚きましたが、店員さんにアドバイスをもらいながら、掃除が楽だという嵩上げタイプを選びました。夫は日曜大工が好きなので自信満々でしたが、いざ作業を始めると、床の排水口の位置が壁に近すぎて、パンが綺麗に収まらないという問題が発生しました。二人でパンをあちこちに動かし、ああでもないこうでもないと相談しながら、なんとか最適な位置を見つけ出したときは、それだけで一仕事終えたような気分でした。夫が床に這いつくばって排水管を繋いでいる間、私は説明書を読み上げながら部品が余っていないかチェックしました。一番大変だったのは、やはり洗濯機をパンの上に持ち上げる瞬間でした。重たい洗濯機をゆっくりと、四隅の脚をパンの台座に正確に乗せる作業は、二人の息が合わないと成功しません。掛け声をかけて一気に持ち上げ、ピタリと収まったときは思わずハイタッチをしました。自分たちで設置してみると、これまで気にしていなかった排水の仕組みや、水の通り道のことがよく分かり、より一層家への愛着が湧きました。業者さんに頼めばあっという間だったかもしれませんが、二人で苦労して設置した防水パンを見るたびに、この家での暮らしを自分たちの手で整えていったという実感が湧いてきます。今では洗濯機が回る音も心地よく、安心して毎日洗濯をすることができています。手間はかかりましたが、自分たちで挑戦して本当に良かったと思っています。自分で設置することには大きな喜びがありますが、それは完璧な施工がなされて初めて得られるものです。私の失敗を反面教師として、皆さんは最初から水平器と精密な図面を手に、一発で完璧な設置を目指してください。水は正直です。わずかな手抜きも、必ず漏水や騒音という形で見逃してはくれません。