洗濯が終わった後、安全のために水栓を閉めようとしたら、ハンドルが固くて全く動かない。そんな経験はありませんか。長年開けっ放しにしていた水栓を、久しぶりに閉めようとした時によく起こるトラブルです。この「水栓が固くて閉まらない」という状態には、いくつかの原因が考えられます。最も一般的な原因は、水栓内部の部品の「固着」です。水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラル分が、長年の間に水栓内部の可動部分(スピンドルなど)に付着・結晶化し、いわゆる水垢となってこびりついてしまうのです。また、ハンドルの軸部分に使われているグリスが乾いてしまったり、部品がわずかに錆び付いたりすることも、動きを固くする原因となります。このような状態で、無理にプライヤーなどの工具を使って力任せに回そうとするのは非常に危険です。固着した部品に過度な力が加わると、水栓の内部部品が破損したり、配管自体を傷つけてしまったりする可能性があります。そうなれば、水漏れなどのより深刻なトラブルを引き起こし、水栓一式を交換しなければならなくなってしまいます。では、どうすれば良いのでしょうか。まず、自分で試せる対処法としては、ハンドル部分にお湯で温めたタオルをしばらく当ててみることです。金属部品がわずかに膨張し、固着した部分が緩むことがあります。また、ハンドルの隙間に、潤滑剤を少量スプレーしてみるのも一つの手です。しかし、これらの方法で改善しない場合は、無理せずプロの水道修理業者に相談するのが最も安全で確実です。専門家であれば、適切な工具と知識で、水栓を分解して内部を清掃・修理したり、必要であれば水栓本体を交換したりと、最適な方法で問題を解決してくれます。