お風呂の蛇口は、毎日使用する中で徐々に劣化が進む消耗品です。水漏れや操作の不便さなど、様々なサインが現れたら、それは蛇口交換を検討するタイミングかもしれません。これらのサインに早期に気づき、適切な時期に交換を行うことで、快適なバスタイムを維持し、さらなるトラブルを未然に防ぐことができます。 最も明確な交換のサインは、水漏れが発生した場合です。蛇口の先端からポタポタと水が垂れて止まらない、レバーやハンドルの根元から水が滲み出てくる、シャワーホースの付け根から水が漏れるといった症状は、内部のパッキンやカートリッジの劣化、または本体の破損が原因である可能性が高いです。少量の水漏れでも、放置すると水道代の増加につながるだけでなく、壁や床の内部に水が浸入し、カビの発生や構造材の腐食など、より深刻な被害を引き起こす恐れがあります。 次に、お湯と水の温度調整がうまくいかなくなった場合も、交換を検討すべきサインです。特にサーモスタット混合水栓の場合、設定温度にならない、急に熱くなったり冷たくなったりする、温度が安定しないといった症状は、内部のサーモスタット部品の故障が考えられます。快適なバスタイムを送るためにも、正確な温度調整ができない蛇口は早めの交換が望ましいでしょう。 また、レバーやハンドルの操作が固くなった、あるいはグラつくといった操作性の悪化も、蛇口内部の劣化を示すサインです。無理に使い続けると、完全に故障して操作不能になることもあります。異音がする、水圧が弱くなった、見た目が古くなった・サビが目立つといった場合も、交換を検討する良い機会です。 一般的に、浴室の蛇口の耐用年数は、製品の品質や使用頻度、水質などにもよりますが、おおよそ10年から15年と言われています。上記のサインが見られなくても、設置から10年以上経過している場合は、故障のリスクが高まっているため、予防的な交換を検討することをお勧めします。