タンクレストイレは、そのスタイリッシュなデザインや省スペース性から、近年多くの家庭で導入されています。しかし、実際に導入してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する声も耳にするのが事実です。主な後悔の理由としては、停電時の使用不可、水圧の問題、高額な修理費用、そして意外な清掃の手間などが挙げられます。導入を検討する際には、これらのデメリットもしっかりと理解しておくことが大切です。 特に多く聞かれるのが、停電時の使用に関する問題です。タンクレストイレは電気で動くため、停電時には基本的には水を流すことができません。一部の機種には手動レバーが付いているものもありますが、一度に流せる水量に限りがあり、非常時には不便を感じるかもしれません。災害時など、万が一の事態を想定しておく必要があります。また、マンションの高層階や戸建てでも二階のトイレなど、水圧が低い場所に設置した場合、洗浄力が弱く感じられたり、うまく排水できなかったりするケースも報告されています。事前に自宅の水圧を確認しておくことが重要です。 さらに、修理費用が高額になる可能性も後悔の種となり得ます。タンクレストイレは、従来のタンク付きトイレに比べて構造が複雑で、電子部品が多く使われています。そのため、故障した場合の修理費用が高額になったり、部品の取り寄せに時間がかかったりすることがあります。また、製品寿命もタンク付きトイレより短い傾向があるという声もあります。長期的な視点でメンテナンス費用を考慮することも、後悔しないためのポイントです。 清掃面では、すっきりとした見た目から「掃除が楽そう」と期待されがちですが、実はそうでもない場合があります。便器と便座が一体型になっているため、隙間が少なく一見きれいに見えますが、内部の構造が複雑なため、手が届きにくい部分に汚れが溜まることもあります。特に、水のたまりにくい箇所には水垢が発生しやすく、こまめな手入れが必要となる場合もあります。美しいデザインの裏にある、そうした実用面での課題も理解し、ご自身のライフスタイルに合った選択をすることが、タンクレストイレで後悔しないための鍵となるでしょう。